2011年5月 のアーカイブ | おすすめ映画ランキング!名作シネマレビュー

25時

【25時】

<評価>90点

<キャスト>
監督 スパイク・リー
脚本 デイヴィッド・ベニオフ 
<出演者>
エドワード・ノートン
フィリップ・シーモア・ホフマン
バリー・ペッパー

<あらすじ>
ニューヨークのドラッグ・ディーラーだったモンティは、何者かの密告で麻薬捜査局に逮捕され、保釈中の身だった。
そし、25時間後には7年の服役のために収監される。その現実に打ちひしがれる彼は、
馴染みの店で最後の夜を明かそうと2人の親友、高校教師のジェイコブと株式ブローカーのフランクを誘う。
また一方で、恋人ナチュレルが密告者ではないかと疑惑を募らせるモンティ。
こうして彼のシャバでの最後の夜が始まるが、彼には今までのことを清算をする必要が残されていて……。

<感想>
「25時」は麻薬の売買を密告された男が刑務所に収監されるまでの25時間という限定的な時間でどうするかを描いた映画です。こういう限定された空間だったり、時間だったりを描いた映画は結構あるんですが、この映画はその中でも異色な気がします。構成と雰囲気、そして何と言っても役者の演技力が抜群に良いです。

次の日になったら友達が刑務所に投獄される中でモンティと親友の二人がどんな気持ちで過ごすのか、またどう接するのか。またそれは主人公であるモンティもそうで、友情をリアルに生々しく描いています。また恋人との関係、そしてモンティの父との親子愛。限定された時間だからこそ、その全てがリアルで生々しい。そして作品全体に流れるハードボイルドな感じと、シリアスさがまた良い。そしてラストシーンであるモンティの父が息子を車の乗せて刑務所に向かうシーンは必見です。

また役者のリアルさと生々しさを感じさせる演技は本当に素晴らしいとしか良いようがないです。いろんな面でオススメの作品です。

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
この映画はスパイクリー監督の映画ですが、今まで有名な監督のわりには他の作品をあまり観たことがなかったんですが、25時は当たりでしたね。スパイクリー監督の映画を全部見たわけではないですが、おそらく1、2を競う映画なのではないかと思います。それぐらいよくできてます。今まで面白くないと思ってた監督が、いきなり面白い作品を出すってたまにありますよね。

バック・トゥ・ザ・フューチャー

【バック・トゥ・ザ・フューチャー】

<評価>93点

<キャスト>
監督 ロバート・ゼメキス 
<出演者>
マイケル・J・フォックス
クリストファー・ロイド

<あらすじ>
1985年のカリフォルニア州ヒルバレーに住む高校生マーティ・マクフライ(マイケルJフォックス)は
科学者である親友のドク博士を手伝って、愛車のデロリアンを改造してドクが開発したタイムマシンの実験をする。
実験は成功したが、ドクがタイムマシンの燃料を調達するために
騙したリビアの過激派に発見されてしまい、ドクは機関銃で撃たれてしまう。
同じく命を狙われたマーティはとっさにタイムマシンに乗って逃走するが、
誤作動が起こってしまい30年前の1955年にタイムスリップする。
元の時代に戻ろうとするマーティだったが、タイムマシンは燃料のプルトニウム
を使い果たしてしまったため戻ることができなくなっていた。
そこでマーティは1955年のドクと会って、落雷の力でタイムマシンを稼動させる算段を立てる。
しかし、その時代にはマーティの父や母がいて、自分の母に好かれてしまい、自分の存在が消えてしまいそうになる。
それを何とかするために父と母をくっつけて、なおかつ元の時代に戻る方法を探すが……。

<感想>
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」はまあ紹介する必要があるのかってぐらい有名な映画ですね。私も何度も見た映画です。とにかくワクワクして面白い。子供から大人まで楽しめるエンターテイメント。それがバック・トゥ・ザ・フューチャーです。

過去へ行って現在を変えるというもので、この映画以降数多くの映画が似たような設定で作られましたが、この映画には勝てない気がします。この映画はただ過去に行くという設定に頼ったものではなく、過去でのストーリーも面白く、母親が息子である自分に恋して自分が消えそうになったり、それを防ぐために父親とくっつけようとしたり、ハラハラワクワクしながら観ることができます。

そして何と言ってもマーティーを演じるマイケル・J・フォックスがとにかく良い。10代の人はあまり知らないかもしれませんが、凄い好きな俳優の一人で、見てて楽しくなるんです。コメディー映画に出ることが多かったですが、どれもマイケル全開感じでいいです。

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
マイケルは本当に良い役者ですよね。絶頂期のときにパーキンソン病で映画に出られなくなってしまいましたが、「摩天楼はバラ色に」とか本当に好きな映画ばかりでした。また背が小さくてハリウッド俳優として一流になったのはマイケルだけらしいです。

羊たちの沈黙

【羊たちの沈黙】

<評価>86点

<キャスト>
監督 ジョナサン・デミ
原作 トマス・ハリス 
<出演者>
ジョディー・フォスター
アンソニー・ホプキンス

<あらすじ>
若い女性を殺害しその皮を剥ぐという猟奇事件が続発。
捜査に行きづまったFBIは、元精神科医の殺人鬼ハンニバル・レクターに示唆を受けようとする。
訓練生ながらその任に選ばれたクラリスは獄中のレクターに接触する。
その後、クラリスの少女時代の記憶、秘められた過去の話と引き換えに、
博士は彼女へ事件解決のアドバイスを与え続けていく。
そして捜査を続けていく中で、レクター博士を牢内から出すことになり、捜査を始めることに協力するが……

<感想>
「羊たちの沈黙」はサイコ・サスペンスという、若干ホラー要素もある映画になります。ホラーといっても、幽霊とか出るものではなく、人の狂気や闇を描いたものとなります。映画自体はかなり有名で一度は聞いたことあるかもしれないですね。

内容としては犯人を捜していくサスペンス要素は緊張感のあるもので、段々犯人がわかっていく過程も面白いです。またそれ以外にもクラリスの幼少期のトラウマやそれを知って接するレクター博士との妙な絆。それは歪なものなのに成立してしまう。歪だけどそれが人間だよねっていう人間ドラマもありで、満足できるものです。

またサイコの部分でも、アンソニーホプキンス演じるレクター博士の存在感。主役のクラリスよりも目立ってます。いや、本当に怖すぎます。この怖さの正体は人の奥底にある闇や狂気。それは誰もが持っているもので、常識外のことが起こっているのに、人の闇と狂気が目覚めればありえるんじゃないかとリアルに感じれるとこにあるような気がします。人は幽霊よりもよっぽど怖いって言いますもんね。

様々な要素で構成が見事で、単なるサイコ・サスペンスではないし、どうせ怖いだけの映画でしょと思わずに、ぜひ見てみることをオススメします。

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
この映画のアンソニーホプキンスはハッキリ言って、怖すぎます。この映画を見てから、他にもアンソニーホプキンスが出てる映画を見ても、どうしてもレクター博士の印象が離れなくて大変です。ハマり役の映画で有名になると、そのあとのイメージから抜け出すのって大変そうですよね。

プライドと偏見

【プライドと偏見】

<評価>78点

<キャスト>
監督 ジョー・ライト
原作 ジェーン・オースティン 
<出演者>
キーラ・ナイトレイ
マシュー・マクファディン

<あらすじ>
18世紀末のイギリス。田舎町に暮らすベネット家の5人の子どもはいずれも女ばかりだった。
女性に相続権がないこの時代、父親が死んだら家も土地も遠縁の男子が継ぎ、娘たちは路頭に迷ってしまう。
そんなときイギリスの田舎町に住むベネット家の隣に、大金持ちの貴公子ビングリーが引っ越してくる。
舞踏会の夜、ビングリーはベネット家の長女ジェーンにダンスを申し込むが、彼の親友ダーシーは乗り気ではない態度を示す。
才気溢れる次女エリザベス(キーラナイトレイ)はダーシーに強い反感を抱く。
しかもハンサムな青年将校ウィッカムに心奪われたエリザベスは
彼が幼なじみであるダーシーの悪口を言うのを聞いて、ますますダーシーが嫌いになるが……。

<感想>
「プライドと偏見」は最初に言いますが、いわゆるな恋愛映画とは違います。濃厚なシーンやキスシーンは全然出てきませんよ。もとはジェーン・オースティンの「高慢と偏見」という小説を映画化したもので、文学的な小説なので、上辺だけの軽い恋愛映画とは違うのです。

18世紀末のイギリスには女性は相続権がなく、結婚が全てと言っても過言ではないときに5人姉妹がお金持ちと結婚したがっている。一見するとドロドロの昼ドラみたいな展開になりがちなのに、そんなことはなく、どこか気品溢れるというか、やっぱり文学的な作品になっています。またコミカルな部分も多分にあり、笑って感動できたりと、その辺のバランスも良いですね。

そして何と言ってもキーラ・ナイトレイを初めとしたキャストも良かった気がします。特にキーラナイトレイの存在感は凄いです。時代背景のわりに自分の意見を主張していく女性の気品と美しさがよく演じられていて、その魅力に惹かれること間違いなしです。

またオールイギリスロケでとにかく映像だったり、景色が綺麗で、映像を見るだけでも楽しめる作品です。いや、イギリスの田舎風景ってなんか良いんでよね。

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
「プライドと偏見」は原作があるものを映画化したものですが、小説など原作があるものを映画化する難しさってありますよね。この映画は非常に上手くまとめられてますが、だいたいは失敗しするパターン多いですよね。やっぱり小説などは自分の中で理想のイメージができますが、映画にする場合はそれと少しでも違ったら期待が裏切られたと思うかもしれないし、原作のイメージを保ちつつも映画の良さもださなきゃいけないし、意外とリスクありますよね。その辺は監督のセンスや相性になってくるかもしれないですね。とにかく失敗するパターンが多いのが残念です。

ニューシネマ・パラダイス

【ニューシネマ・パラダイス】

<評価>96点

<キャスト>
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ 
<出演者>
フィリップ・ノワレ
ジャック・ペラン

<あらすじ>
映画監督であるトトは、故郷の母からアルフレードが死んだという知らせを受け取る。
トトが子供の頃は唯一の娯楽は広場のただ一軒の映画館で、
映画に魅了されたトトは何度も映写室に入り込んでは映写技師のアルフレードに
つまみ出されているうちに親しくなり、映写機の使い方を教えるようになった。
ある日映画館が火事になり、フィルムを救い出そうとしたアルフレードは火傷で視力を失った。
そしてトトは村人が新しく建て直した映画館「ニュー・シネマ・パラダイス」で
映写技師として働き家計を支えるようになった。
年月が過ぎ、若者となったトトはムービーカメラを手に入れ、自分でも映画を撮影するようになる。
駅で見かけた美少女エレナとの初恋を経て、トトは軍隊に徴兵されるが除隊後村に帰ってみると
映写室には別の男が座り、エレナは音信不通となっていた。
落ち込むトトにアルフレードは若いのだから外に向けて道を探せと鼓舞して、トトはその言葉に従ってローマに向かった。

<感想>
「ニューシネマパラダイス」はおそらく映画を好きな人なら知らない人がいないぐらい名作中の名作ですね。内容も雰囲気もこれぞ映画!映画ってこうだよねっていう感じで、本当に良いです。

映画全体に流れる雰囲気だったり、ノスタルジックな感じ。一瞬で映画に惹きつける魅力があります。

また内容も少年トトとアルフレードが段々と親しくなり、心を通わせていくシーン。成長してからもそれは変わらず、トトに外に向かわせるシーン。そして感動せずにはいられないラスト。どれをとっても愛を感じ、わざと泣かせるような映画ではなく、自然と涙が溢れるような至極の映画です。

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
何だか最近こういった映画らしい映画ってなくなりましたよね。見た瞬間に惹きこまれるようなのが……。それか知らないだけで、あるのかもしれませんが。そこそこ面白いのはあるのですが、記憶に焼きつくような映画が見たい今日この頃です。そういえば映画料金が全体的に安くなるとかいう記事を見た気がするんだけど、どうなったんだろう。

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