【奇跡のシンフォニー】
<評価>90点
<キャスト>
監督 カーステン・シェリダン
<出演者>
フレディ・ハイモア
ケリー・ラッセル
ジョナサン・リース=マイヤーズ
<あらすじ>
ニューヨーク近郊の孤児院で暮らすエヴァンは両親が必ず迎えに来ると信じているものの、
11歳になるまでその願いがかなう事は無かった。
ある日不思議な音に導かれるように彼は孤児院を抜け出してしまう。
たどり着いたマンハッタンで様々な出会いを経てエヴァンは音楽の才能を開花させる。
一方エヴァンは死んだと思っていた彼の母ライラ、そしてライラと結ばれること無く一時は悲嘆にくれていた父ルイスも
音楽に導かれるかのようにマンハッタンへ向かう。
<感想>
「奇跡のシンフォニー」は久しぶりにストーリーで感動させられた映画です。しかも、いわゆるな感動映画ではなく、人間の成長や人との繋がり、そこに音楽と言うピースが組み合わさって、本当に感動できました。
内容としては今までの映画でよくある展開で、比較的先が読めるのですが、そこに登場する人物の個性だったり、何よりも音楽に特化させたことで感性を刺激する作品なったのではないかと思います。
またラストシーンはわかっていても、物凄く感動するので、ぜひ一度見てみてください。
<内容にはあまり関係ないつぶやき>
ここ最近続けて音楽に特化した映画を紹介しましたが、ミュージカルとかは実はちょっと苦手だったりします。ミュージカル映画で好きなの「RENT」ぐらいかな。そしてそろそろ新作映画とかの紹介もしようかなと考え中です。
タグ : 奇跡のシンフォニー, 感想
カテゴリ : ヒューマン映画, 90~100点の映画
【麦の穂をゆらす風】
<評価>94点
<キャスト>
監督 ケン・ローチ
脚本 ポール・ラヴァーティ
<出演者>
キリアン・マーフィー
ポードリック・ディレーニー
リーアム・カニンガム
オーラ・フィッツジェラルド
<あらすじ>
1920年。主人公のダミアンは医者でアイルランドを離れてロンドンの病院で働こうとしていた。
しかし、日常的に起こるイギリス軍のアイルランド人に対する暴力を目の当たりにし、
ロンドン行きを取りやめてIRAのメンバーとなり、ゲリラ戦に身を投じるようになる。
ある日、寝ていたところを他のメンバーもろとも逮捕されてしまう。
ダミアンの兄テディはIRAの重要なメンバーで、イギリス軍はテディを探していたのだった。
アジトと武器の置き場所を聞き出そうと、テディを拷問するイギリス軍だが、
聞き出せなかったため、全員を次の朝に処刑すると言い渡す。
しかし、軍の中にいた協力者の手によって脱獄する。
脱獄したダミアンは、同志たちが拷問・処刑された原因となった密告者が幼馴染であることを知る。
密告者の処刑命令を受け、それを実行したときから、ダミアンは政治闘士として引き返せない一線を越えたのだった。
1921年の休戦協定からアイルランド自由国をまわって、自由国兵士となった兄と、対立し戦うことになる。
<感想>
まず初めに「麦の穂をゆらす風」を観るには覚悟が必要です。アイルランドの独立戦争を描いた映画ですが、変な脚色やストーリーを加えていないので、戦争という重さを否が応でも知ってしまいます。戦争にハッピーエンドも納得のいく解決もありません。それがリアルな戦争です。
日本では戦争と言っても、あまりピンとこない話題だと思います。戦前を体験された方なら別ですが、戦争ってこういうものなんだというのを少しでも知ることができるのも映画の良いところだと思います。戦争っていうのはこうだよというのを、ただ忠実に描いた映画です。
これはアイルランドだけの問題ではなく、世界中で今も起こっている問題です。そういったことを少しでも知るためにも一度は観て欲しい映画です。
<内容にはあまり関係ないつぶやき>
今回は感想もちょっと重くなってしまいましたが、たまには必要ですよね。ケンローチの映画はどれも良い作品が多いですね。映画好きの方に観てもらいたい作品が多いので、他の映画も探して見てみてください。
タグ : 感想, 麦の穂をゆらす風
カテゴリ : ヒューマン映画, 90~100点の映画
【タイタンズを忘れない】
<評価>95点
<キャスト>
監督 ボァーズ・イェーキン
脚本 グレゴリー・アレン・ハワード
<出演者>
デンゼル・ワシントン
ウィル・パットン
キップ・パルデュー
<あらすじ>
1970年代の初めの頃、まだ人種差別が大きな問題となっていたアメリカで
実際にあったエピソードを基にしたスポーツヒューマン映画。
1971年、バージニア州のある町で白人の高校と黒人の高校が統合されることになった。
人種差別が根強かった1971年に、ヴァージニア州アレクサンドリアの州立の
ウィリアムズ高校に黒人であるハーマン・ブーン(デンゼル・ワシントン)がアシスタントヘッドコーチとして雇われた。
そして普通ならありえなかった白人と黒人の混合チームが生まれる。
初めはヘッドコーチとして雇われたブーンだが、人は平等でなければならないという宣言があったことから、コーチとして昇格する。
しかし、人種差別が根強い地元住民が黒人がコーチになれば反発することがわかっていたため、
迷った末に黒人選手の誇りを保つためにもコーチを引き受ける。
しかし、選手もお互いの人種の違いに困惑し、激しく対立してしまう。
まとまらないチームでは試合に勝つことはできず、ブーンの必死の話し合いや努力によって
次第にチームはまとまり試合に勝つが、そこにはさらなる試練が待ち受けていた……。
<感想>
「タイタンズを忘れない」は事実をもとにしたノンフィクション映画です。その中でもスポーツを通してのヒューマン物語ですが、ここまで胸が熱くなるというか、感動できる映画はそう他にないと思います。
白人と黒人のチームが人種を超えて次第に絆を深めて強くなるのですが、日本人にとっては人種差別というアメリカの根強く深い問題はピンとこないかもしれません。日本は人種での差別はないですからね。ただこれを見ればアメリカではこういう歴史があるんだってことが知れると思います。
こういうところはノンフィクション映画のいいところですね。そういった背景を抜きにしても、お互いが絆を強め試合に勝ち続けていくシーンはもう胸が熱くなり感動です。なんか友情って良いなって凄く思います。スポーツ映画の最高峰ですので、ぜひ一度みてください。
<内容にはあまり関係ないつぶやき>
今回はスポーツ映画を紹介しましたが、実は結構好きなジャンルです。実際にスポーツをしていたせいか、見てて熱くなりますよね。弱小チームが勝ち上がるという展開はだいたい同じですが、良いものは良いです。この映画の他にもいろいろとオススメがあるので、また紹介していきたいと思います。
タグ : タイタンズを忘れない, 感想
カテゴリ : ヒューマン映画, 90~100点の映画
【善き人のためのソナタ】
<評価>93点
<キャスト>
監督 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
脚本 フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
<出演者>
ウルリッヒ・ミューエ
マルティナ・ゲデック
セバスチャン・コッホ
<あらすじ>
ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツを舞台に、強固な共産主義体制の中枢を担っていた
国家保安省の実態を暴き、彼らに翻ろうされた芸術家たちの苦悩を浮き彫りにした名作。
国家保安省の局員ヴィースラーは劇作家のドライマンと恋人で、
舞台女優のクリスタが反体制的であるという証拠をつかむよう命じられる。
ヴィースラーの人格はほとんどなく、国家に命じられたまま、盗聴器を仕掛けて彼らの監視を始める。
ほぼ24時間体制で監視を続ける中で、自由な思想を持つ彼らに次第に魅せられていく。
そんな中で盗聴器から聞こえるピアノのソナタを聴き……。
<感想>
「善き人のためのソナタ」はドイツ映画となるが、ここまで面白い歴史に基づいたドラマはなかなかお目にかかれないと思います。ノンフィクションというわけではないが、ベルリンの壁崩壊前の東ドイツの歴史的な背景はそのままで、その中での人間ドラマは凄く面白い。
内容としては国家保安省であるヴィースラが劇作家であるドライマンと女優のクリスタが反体制であるという証拠を掴むために、二人の生活を盗聴する。しかし、何の感情も抱かずに任務だけを遂行するだけなのに、盗聴器から聴こえるのは自由な思想、二人の愛の言葉。それはヴィースラには初めてのもの。おそらく、これまで国が全て正しいと洗脳されてきたはずなのに、自由に触れ次第に変わっていく様子に見入ってしまった。そして盗聴器から聞こえるピアノのソナタにより、ある種の洗脳はなくなっていく。後に東ドイツが崩壊したように、自由とは人間には絶対に必要なものなのかもしれない。いくら塞いだとしても自由という魅力には勝てないってことなのかな~。
最終的にヴィースラはある行動を取る。それが実に人間臭いというか、洗脳とは程遠い人間らしさを伴った行動を起こすところが見せ場になるが、そこは実際に観てもらいたいと思います。
<内容にはあまり関係ないつぶやき>
この映画はレンタル屋で借りて観たのだが、観るキッカケとなったのは表紙にある盗聴器を耳に当てているヴィースラで、それが妙に印象的で、ハリウッド映画にはない渋さが気になりました。ドイツ映画はもう一つ好きな映画で「グッバイ・レーニン」というのがあるが、それと並ぶ名作だと思います。
タグ : 善き人のためのソナタ, 感想
カテゴリ : ヒューマン映画, 90~100点の映画
【グッドウィルハンティング】
<評価ランキング>100点
<キャスト>
監督 ガス・ヴァン・サント
脚本 マッド・デイモン、ベンアフレック
<出演者>
マッド・デイモン
ロビン・ウィリアムス
ベンアフレック
<あらすじ>
深い心の傷を負った天才青年ウィル(マッドデイモン)と、同じく失意の中にいた精神分析医が
お互いにあらたな旅立ちを自覚して成長してゆく姿を描くと共に友との友情も描いた感動のヒューマン映画。
青年ウィルは天才ゆえに周囲から孤立していた。
唯一の友達は悪仲間であるチャッキー(ベンアフレック)だけだったが、ある事件をキッカケに
彼の才能に気付いた数学教授のランボーは、ウィルに精神分析医のショーン(ロビンウィリアムズ)
を紹介する。ウィルはショーンにしだいに心を開いてゆくが……。
<感想>
「グッドウィルハンティング」は映画好きには有名ですが、普通の人は知らない人も多いかと思います。もし、観たことがないなら今すぐ観るべきです。これほどの名作映画は滅多にありません。
この映画の主テーマは人の成長する姿ですかね。しかし、この映画はおそらく裏テーマがあり、友との友情についてもよく描かれています。
前半の内容としては天才青年であるウィルがハーバード大学の教授が解けない難問を黒板に書き、それを清掃員として入ったウィルが解いてしまいます。それがキッカケでその教授から精神科医を紹介されて、話が進んでいくのですが、この映画の良いところは天才であるが故に傷を負ったウィルの傷を精神科医であるショーンが癒していくというありがちなパターンではないところです。普通ならウィルを救うはずの精神科医であるショーンも傷を負っていて、お互いにその傷を誰にも言わず隠してきた。その二人が出会うことによって、お互いの傷を攻撃して、そして成長していく姿が本当に上手く描かれていて、本当に感動する。
精神科医の役はロビン・ウィリアムズなのだが、どの作品でも良い演技をするなーとしみじみ思います。
またこの映画には友との友情についてもよく描かれています。ウィルには不良仲間のチャッキーという親友がいるが、この二人の関係性が親友ってこうだよなって思わされる。自分のためではなく、相手の幸せを第一に考えてえいる。
それがよくわかるシーンがあるのだが、不良仲間のチャッキーはウィルを遊びに誘うためにいつも車で家まで向かえに行くのだが、その度に「一番のスリルは車を降りて、お前の家の玄関に行く10秒前。ノックしてもお前は出てこない。何の挨拶もなくお前は消えている。そうなればいい」と心の中で思う場面が何度かある。また「もしも20年経っても、お前が同じ仕事をしていたらお前を殴ってやる」「お前は生まれながらにして当たりの宝くじを持っているんだ。俺たちはその当たりくじが欲しくてずっとあがいている。だからそれを持っている奴が活かしもしないで捨てるのは我慢がならない」などのセリフがあり、チャッキーは常にウィルのことを優先して考えているのがよくわかる。
<内容にはあまり関係ないつぶやき>
「グッドウィルハンティング」でマッドデイモンは一気に有名になったのだが、実はこの映画は脚本をマッドデイモンとベンアフレックが共同で書いている。80%ぐらいはマッドデイモンが大学生のときに書いたもので、それを子供の頃からの親友であるベンアフレックと仕上げたものである。個人的にマッドデイモンが好きで出演している映画はほとんど観ているが、この作品に書ける思いはやっぱり他の映画とは違う気がする。さらに親友であるベンアフレックも「ザタウン」「ゴーンベイビーゴーン」を監督として作っている。二つとも男の友情を描いた作品だが、「グッドウィルハンティング」に大きく影響されている。これはベンアフレック本人も言っていました。それぐらい二人にとって影響を受けた作品と言えるのかもしれない。
タグ : グッド・ウィル・ハンティング, 名言, 感想
カテゴリ : ヒューマン映画, 90~100点の映画