ヒューマン映画 | おすすめ映画ランキング!名作シネマレビュー

麦の穂をゆらす風

【麦の穂をゆらす風】

<評価>94点

<キャスト>
監督 ケン・ローチ
脚本 ポール・ラヴァーティ
<出演者>
キリアン・マーフィー
ポードリック・ディレーニー
リーアム・カニンガム
オーラ・フィッツジェラルド

<あらすじ>
1920年。主人公のダミアンは医者でアイルランドを離れてロンドンの病院で働こうとしていた。
しかし、日常的に起こるイギリス軍のアイルランド人に対する暴力を目の当たりにし、
ロンドン行きを取りやめてIRAのメンバーとなり、ゲリラ戦に身を投じるようになる。
ある日、寝ていたところを他のメンバーもろとも逮捕されてしまう。
ダミアンの兄テディはIRAの重要なメンバーで、イギリス軍はテディを探していたのだった。
アジトと武器の置き場所を聞き出そうと、テディを拷問するイギリス軍だが、
聞き出せなかったため、全員を次の朝に処刑すると言い渡す。
しかし、軍の中にいた協力者の手によって脱獄する。
脱獄したダミアンは、同志たちが拷問・処刑された原因となった密告者が幼馴染であることを知る。
密告者の処刑命令を受け、それを実行したときから、ダミアンは政治闘士として引き返せない一線を越えたのだった。
1921年の休戦協定からアイルランド自由国をまわって、自由国兵士となった兄と、対立し戦うことになる。

<感想>
まず初めに「麦の穂をゆらす風」を観るには覚悟が必要です。アイルランドの独立戦争を描いた映画ですが、変な脚色やストーリーを加えていないので、戦争という重さを否が応でも知ってしまいます。戦争にハッピーエンドも納得のいく解決もありません。それがリアルな戦争です。

日本では戦争と言っても、あまりピンとこない話題だと思います。戦前を体験された方なら別ですが、戦争ってこういうものなんだというのを少しでも知ることができるのも映画の良いところだと思います。戦争っていうのはこうだよというのを、ただ忠実に描いた映画です。

これはアイルランドだけの問題ではなく、世界中で今も起こっている問題です。そういったことを少しでも知るためにも一度は観て欲しい映画です。

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
今回は感想もちょっと重くなってしまいましたが、たまには必要ですよね。ケンローチの映画はどれも良い作品が多いですね。映画好きの方に観てもらいたい作品が多いので、他の映画も探して見てみてください。

グッバイ、レーニン!

【グッバイ、レーニン!】

<評価>90点

<キャスト>
監督 ヴォルフガング・ベッカー
脚本 ベルント・リヒテンベルク
<出演者>
ダニエル・ブリュール
カトリーン・ザース

<あらすじ>
1989年東ベルリン。テレビ修理店に勤める青年アレックス。
彼の父は10年前に家族を捨て、西側に亡命した。
一方、母クリスティアーネは、その反動からますます愛国心を強めていく。
そんなある日、秘かに反体制の考えを持っていたアレックスが反社会主義デモに参加。
その結果、警察と衝突するところを偶然目撃したクリスティアーネは
ショックで心臓発作を起こし、昏睡状態に陥ってしまう。
その間にベルリンの壁が崩壊、統一ドイツは資本主義国家となる。
やがて8ヶ月後、クリスティアーネは奇跡的に覚醒するのだがベルリンの壁が崩壊していることを知らず、
アレックスは母に精神的不安をかけまいと紛争するが……。

<感想>
「グッバイレーニン」はドイツ映画で、ベルリンの壁が崩壊したときの状況を描いています。まず特徴的なのは東ドイツ崩壊の際の一般市民の様子をよく描いている点です。東ドイツが崩壊したとき、東ドイツの人たちの状況はどんなものだったのかが、映画を通してこんな感じなのかなと知れることが面白いですね。

また内容も普通なら暗い感じになってしまうような状況をひたすらコミカルに描いている。東ドイツが崩壊して、西ドイツの文化が流入してくる中で、母に崩壊した事実を知られないために優しい嘘をつく。普通ならやっぱりしんみりした展開なのに、その嘘で奔走しているシーンがまるでコメディーを見ているかのようにコミカルだ。このギャップがまた良い。

これぞ名作映画って感じの映画なので、まだ見ていない人はぜひ見てみてください。

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
ドイツ映画はたまに大当たりな映画が出ますね!テーマはやっぱり東ドイツのときの話が多いですが、それだけドイツにとって大事件だったということですね。他の国でもそうですが、映画は普段知ることがなかなかできない歴史だったり、状況を間接的にも知れるところが醍醐味の一つですね。

25時

【25時】

<評価>90点

<キャスト>
監督 スパイク・リー
脚本 デイヴィッド・ベニオフ 
<出演者>
エドワード・ノートン
フィリップ・シーモア・ホフマン
バリー・ペッパー

<あらすじ>
ニューヨークのドラッグ・ディーラーだったモンティは、何者かの密告で麻薬捜査局に逮捕され、保釈中の身だった。
そし、25時間後には7年の服役のために収監される。その現実に打ちひしがれる彼は、
馴染みの店で最後の夜を明かそうと2人の親友、高校教師のジェイコブと株式ブローカーのフランクを誘う。
また一方で、恋人ナチュレルが密告者ではないかと疑惑を募らせるモンティ。
こうして彼のシャバでの最後の夜が始まるが、彼には今までのことを清算をする必要が残されていて……。

<感想>
「25時」は麻薬の売買を密告された男が刑務所に収監されるまでの25時間という限定的な時間でどうするかを描いた映画です。こういう限定された空間だったり、時間だったりを描いた映画は結構あるんですが、この映画はその中でも異色な気がします。構成と雰囲気、そして何と言っても役者の演技力が抜群に良いです。

次の日になったら友達が刑務所に投獄される中でモンティと親友の二人がどんな気持ちで過ごすのか、またどう接するのか。またそれは主人公であるモンティもそうで、友情をリアルに生々しく描いています。また恋人との関係、そしてモンティの父との親子愛。限定された時間だからこそ、その全てがリアルで生々しい。そして作品全体に流れるハードボイルドな感じと、シリアスさがまた良い。そしてラストシーンであるモンティの父が息子を車の乗せて刑務所に向かうシーンは必見です。

また役者のリアルさと生々しさを感じさせる演技は本当に素晴らしいとしか良いようがないです。いろんな面でオススメの作品です。

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
この映画はスパイクリー監督の映画ですが、今まで有名な監督のわりには他の作品をあまり観たことがなかったんですが、25時は当たりでしたね。スパイクリー監督の映画を全部見たわけではないですが、おそらく1、2を競う映画なのではないかと思います。それぐらいよくできてます。今まで面白くないと思ってた監督が、いきなり面白い作品を出すってたまにありますよね。

ニューシネマ・パラダイス

【ニューシネマ・パラダイス】

<評価>96点

<キャスト>
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ 
<出演者>
フィリップ・ノワレ
ジャック・ペラン

<あらすじ>
映画監督であるトトは、故郷の母からアルフレードが死んだという知らせを受け取る。
トトが子供の頃は唯一の娯楽は広場のただ一軒の映画館で、
映画に魅了されたトトは何度も映写室に入り込んでは映写技師のアルフレードに
つまみ出されているうちに親しくなり、映写機の使い方を教えるようになった。
ある日映画館が火事になり、フィルムを救い出そうとしたアルフレードは火傷で視力を失った。
そしてトトは村人が新しく建て直した映画館「ニュー・シネマ・パラダイス」で
映写技師として働き家計を支えるようになった。
年月が過ぎ、若者となったトトはムービーカメラを手に入れ、自分でも映画を撮影するようになる。
駅で見かけた美少女エレナとの初恋を経て、トトは軍隊に徴兵されるが除隊後村に帰ってみると
映写室には別の男が座り、エレナは音信不通となっていた。
落ち込むトトにアルフレードは若いのだから外に向けて道を探せと鼓舞して、トトはその言葉に従ってローマに向かった。

<感想>
「ニューシネマパラダイス」はおそらく映画を好きな人なら知らない人がいないぐらい名作中の名作ですね。内容も雰囲気もこれぞ映画!映画ってこうだよねっていう感じで、本当に良いです。

映画全体に流れる雰囲気だったり、ノスタルジックな感じ。一瞬で映画に惹きつける魅力があります。

また内容も少年トトとアルフレードが段々と親しくなり、心を通わせていくシーン。成長してからもそれは変わらず、トトに外に向かわせるシーン。そして感動せずにはいられないラスト。どれをとっても愛を感じ、わざと泣かせるような映画ではなく、自然と涙が溢れるような至極の映画です。

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
何だか最近こういった映画らしい映画ってなくなりましたよね。見た瞬間に惹きこまれるようなのが……。それか知らないだけで、あるのかもしれませんが。そこそこ面白いのはあるのですが、記憶に焼きつくような映画が見たい今日この頃です。そういえば映画料金が全体的に安くなるとかいう記事を見た気がするんだけど、どうなったんだろう。

タイタンズを忘れない

【タイタンズを忘れない】

<評価>95点

<キャスト>
監督 ボァーズ・イェーキン
脚本 グレゴリー・アレン・ハワード 
<出演者>
デンゼル・ワシントン
ウィル・パットン
キップ・パルデュー

<あらすじ>
1970年代の初めの頃、まだ人種差別が大きな問題となっていたアメリカで
実際にあったエピソードを基にしたスポーツヒューマン映画。
1971年、バージニア州のある町で白人の高校と黒人の高校が統合されることになった。
人種差別が根強かった1971年に、ヴァージニア州アレクサンドリアの州立の
ウィリアムズ高校に黒人であるハーマン・ブーン(デンゼル・ワシントン)がアシスタントヘッドコーチとして雇われた。
そして普通ならありえなかった白人と黒人の混合チームが生まれる。
初めはヘッドコーチとして雇われたブーンだが、人は平等でなければならないという宣言があったことから、コーチとして昇格する。
しかし、人種差別が根強い地元住民が黒人がコーチになれば反発することがわかっていたため、
迷った末に黒人選手の誇りを保つためにもコーチを引き受ける。
しかし、選手もお互いの人種の違いに困惑し、激しく対立してしまう。
まとまらないチームでは試合に勝つことはできず、ブーンの必死の話し合いや努力によって
次第にチームはまとまり試合に勝つが、そこにはさらなる試練が待ち受けていた……。

<感想>
「タイタンズを忘れない」は事実をもとにしたノンフィクション映画です。その中でもスポーツを通してのヒューマン物語ですが、ここまで胸が熱くなるというか、感動できる映画はそう他にないと思います。

白人と黒人のチームが人種を超えて次第に絆を深めて強くなるのですが、日本人にとっては人種差別というアメリカの根強く深い問題はピンとこないかもしれません。日本は人種での差別はないですからね。ただこれを見ればアメリカではこういう歴史があるんだってことが知れると思います。

こういうところはノンフィクション映画のいいところですね。そういった背景を抜きにしても、お互いが絆を強め試合に勝ち続けていくシーンはもう胸が熱くなり感動です。なんか友情って良いなって凄く思います。スポーツ映画の最高峰ですので、ぜひ一度みてください。

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
今回はスポーツ映画を紹介しましたが、実は結構好きなジャンルです。実際にスポーツをしていたせいか、見てて熱くなりますよね。弱小チームが勝ち上がるという展開はだいたい同じですが、良いものは良いです。この映画の他にもいろいろとオススメがあるので、また紹介していきたいと思います。

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国際結婚がしたい