2011年6月 のアーカイブ | おすすめ映画ランキング!名作シネマレビュー

麦の穂をゆらす風

【麦の穂をゆらす風】

<評価>94点

<キャスト>
監督 ケン・ローチ
脚本 ポール・ラヴァーティ
<出演者>
キリアン・マーフィー
ポードリック・ディレーニー
リーアム・カニンガム
オーラ・フィッツジェラルド

<あらすじ>
1920年。主人公のダミアンは医者でアイルランドを離れてロンドンの病院で働こうとしていた。
しかし、日常的に起こるイギリス軍のアイルランド人に対する暴力を目の当たりにし、
ロンドン行きを取りやめてIRAのメンバーとなり、ゲリラ戦に身を投じるようになる。
ある日、寝ていたところを他のメンバーもろとも逮捕されてしまう。
ダミアンの兄テディはIRAの重要なメンバーで、イギリス軍はテディを探していたのだった。
アジトと武器の置き場所を聞き出そうと、テディを拷問するイギリス軍だが、
聞き出せなかったため、全員を次の朝に処刑すると言い渡す。
しかし、軍の中にいた協力者の手によって脱獄する。
脱獄したダミアンは、同志たちが拷問・処刑された原因となった密告者が幼馴染であることを知る。
密告者の処刑命令を受け、それを実行したときから、ダミアンは政治闘士として引き返せない一線を越えたのだった。
1921年の休戦協定からアイルランド自由国をまわって、自由国兵士となった兄と、対立し戦うことになる。

<感想>
まず初めに「麦の穂をゆらす風」を観るには覚悟が必要です。アイルランドの独立戦争を描いた映画ですが、変な脚色やストーリーを加えていないので、戦争という重さを否が応でも知ってしまいます。戦争にハッピーエンドも納得のいく解決もありません。それがリアルな戦争です。

日本では戦争と言っても、あまりピンとこない話題だと思います。戦前を体験された方なら別ですが、戦争ってこういうものなんだというのを少しでも知ることができるのも映画の良いところだと思います。戦争っていうのはこうだよというのを、ただ忠実に描いた映画です。

これはアイルランドだけの問題ではなく、世界中で今も起こっている問題です。そういったことを少しでも知るためにも一度は観て欲しい映画です。

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
今回は感想もちょっと重くなってしまいましたが、たまには必要ですよね。ケンローチの映画はどれも良い作品が多いですね。映画好きの方に観てもらいたい作品が多いので、他の映画も探して見てみてください。

ネバーエンディングストーリー

【ネバーエンディングストーリー】

<評価>86点

<キャスト>
監督 ウォルフガング・ペーターゼン
脚本 ヘルマン・ヴァイゲル

<出演者>
バレット・オリバー
ノア・ハザウェイ

<あらすじ>
バスチアンはいじめられっ子で、母を亡くしてからは父親とだけの生活を送っていた。
そんなある日いじめっ子から逃げるために飛び込んだコレアンダー書店で彼は不思議な本ネバーエンディングストーリーと出会う。
しかし、その本は危険なものだと言われ、読むことを止められる。
しかし、どうしても読んでみたいバスチアンはこっそりとその本を盗んでしまった。
学校をサボって本を読み始めたバスチアンはネバーエンディングストーリーの世界に浸り始める。
虚無による崩壊の危機に瀕した世界ファンタージェンを救うため、草原の勇者アトレイユが旅立つといった冒険小説だった。
物語に没頭して話を読み始めるバスチアンだったが、徐々に奇妙な現象が彼とアトレイユを繋げていく。

<感想>
「ネバーエンディングストーリー」は一回目は子供の頃に見ましたが、そのときの印象はなんかやたら怖い映画だなと思いました。きっと普通ならファルコン(大きなドラゴンみたいな生物)出てきた!とか純粋に楽しめるはずなのに。

その印象があり、大人になってからどうして怖いと思ったのかを確認するためにじっくりと見ました。なるほど。テーマが意外と重い。虚無に浸食された世界と希望。この意味は子供にはわからんよ。また出てくる怪物たちもわかりやすいものではなく、社会への風刺というか比喩で表したような怪物や沼や石像だったり、大人になってもいろいろと考えさせられる映画だと思います。

今はハリーポッターやロードオブザリングなど有名なファンタジー映画がありますが、こういった感じのファンタジー映画の元祖と言っていいのがこの映画で、大人でも楽しめるのでオススメです!

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
ファンタジー映画を最近を観てないですが、そろそろハリーポッター死の秘宝2が公開されますね!いちおうハリーポッターシリーズは全部観ているので、観に行きます!

TAXi

【TAXi<タクシー>】

<評価>69点

<キャスト>
監督 ジェラール・ピレス
制作・脚本 リュック・ベッソン
<出演者>
サミー・ナセリ

<あらすじ>
改造した愛車“プジョー406”で街中を爆走する、スピード狂のタクシー・ドライバーのダニエル。
愛車はボタン一つでレーシングカーの如き姿に変形し、
どんな場所でもあっという間に客を送り届けることができる。
ある日、運転免許試験に落ちた刑事エミリアンにスピード違反で逮捕された彼は、
違反取り消しを交換条件に事件の捜査に協力させられる。
事件を起こす一団はベンツに乗っていて、中々足取りをつかむことができない。
捜査の末、ダニエルは車関係の知人のつてをたどり、
一団が速乾性の塗料を使って車の色を逐一塗り替えているとの情報を得た。
ダニエルは彼らを確実に捕まえるために、ピザ屋の旧友たちをも巻き込んだ一大作戦を開始する。

<感想>
「TAXi」はもうたまにはこういう映画を観たっていいじゃないかという感じですね!何も考えずに映画を観たい時もあるんです。真面目な映画を借りたついでに、借りたくなる映画があるんです。

内容は改造暴走タクシーで事件を解決するっていうだけの話なんですが、スピード感とテンポが良いので、サクサク見れます。ギャグシーンとアクションシーンが多彩で楽しめる映画だと思います。

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
まあ今回は名作というよりかは、箸休め的な感じで面白い映画を選択してみました。私的にそういう映画も重要です。2~3本借りるとなると、一つぐらいは何も考えない映画を見たくなりますね。かといって、つまらない映画は見たくないですが。

シザーハンズ

【シザーハンズ】

<評価>85点

<キャスト>
監督 ティム・バートン
脚本 キャロライン・トンプソン
<出演者>
ジョニー・デップ
ウィノナ・ライダー
ダイアン・ウィースト

<あらすじ>
エドワード(ジョニーデップ)は発明家の博士によって生み出された人造人間。
だが、完成直前に博士が急死してしまった為、彼は両手がハサミのままこの世に残されてしまう。
その後、ゴースト屋敷のような丘の上の家で、顔が傷だらけで孤独な日々を送っていた彼の元に、
化粧品のセールス・ウーマンのペグが訪ねて来た。
心優しい彼女は、そんな彼の姿に同情し、自分の家に連れて帰る。
エドワードは植木を綺麗に整えたり、ペットの毛を刈ったりして人気者になってゆく。
そんな中、エドワードはペグの娘に彼女に恋してしまうが、その恋には困難が待ち受けていた。

<感想>
「シザーハンズ」はジャンルとしてはラブファンタジーということになるのでしょうか。ティムバートン監督の映画で、好きな人にはたまらない映画ですね。

内容としては未完成な人造人間であるエドワードは手がハサミのままで、ずっと一人で過ごしてきた。そのエドワードは恋をするが、手がハサミのせいで抱きしめることもできない。そんなエドワードとペグの娘は次第に心を通わせていく。ここまでは純愛を描いていて、惹きこまれる。

ただそれで終わるわけではなく、初めはみんなにも慕われていたが、あることをキッカケに事態は急変。もともと手がハサミの人造人間という自分とは違う存在が受け入れられることもなく、心優しいエドワードには悲しい運命が待っている。これは現実の社会でも同じで、はみ出した存在を潰そうとする。そういったことを批判しているような気がします。

ただの純愛ではない、いろんなメッセージのこめられた映画だと思います。切なくも愛おしい恋愛映画。オススメの作品です。

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
この作品で一躍ジョニーデップが有名になりましたね。またこの作品以降ティムバートン監督の作品ではジョニーデップが欠かせない作品になりましたね。ティムバートン監督曰く、シザーハンズのときはまだ演技が下手くそだったらしいです。それでもこうやってずっと出ているのですから、光る才能を感じていたということなんでしょうかね。今ではまさに名コンビですね!

グッバイ、レーニン!

【グッバイ、レーニン!】

<評価>90点

<キャスト>
監督 ヴォルフガング・ベッカー
脚本 ベルント・リヒテンベルク
<出演者>
ダニエル・ブリュール
カトリーン・ザース

<あらすじ>
1989年東ベルリン。テレビ修理店に勤める青年アレックス。
彼の父は10年前に家族を捨て、西側に亡命した。
一方、母クリスティアーネは、その反動からますます愛国心を強めていく。
そんなある日、秘かに反体制の考えを持っていたアレックスが反社会主義デモに参加。
その結果、警察と衝突するところを偶然目撃したクリスティアーネは
ショックで心臓発作を起こし、昏睡状態に陥ってしまう。
その間にベルリンの壁が崩壊、統一ドイツは資本主義国家となる。
やがて8ヶ月後、クリスティアーネは奇跡的に覚醒するのだがベルリンの壁が崩壊していることを知らず、
アレックスは母に精神的不安をかけまいと紛争するが……。

<感想>
「グッバイレーニン」はドイツ映画で、ベルリンの壁が崩壊したときの状況を描いています。まず特徴的なのは東ドイツ崩壊の際の一般市民の様子をよく描いている点です。東ドイツが崩壊したとき、東ドイツの人たちの状況はどんなものだったのかが、映画を通してこんな感じなのかなと知れることが面白いですね。

また内容も普通なら暗い感じになってしまうような状況をひたすらコミカルに描いている。東ドイツが崩壊して、西ドイツの文化が流入してくる中で、母に崩壊した事実を知られないために優しい嘘をつく。普通ならやっぱりしんみりした展開なのに、その嘘で奔走しているシーンがまるでコメディーを見ているかのようにコミカルだ。このギャップがまた良い。

これぞ名作映画って感じの映画なので、まだ見ていない人はぜひ見てみてください。

<内容にはあまり関係ないつぶやき>
ドイツ映画はたまに大当たりな映画が出ますね!テーマはやっぱり東ドイツのときの話が多いですが、それだけドイツにとって大事件だったということですね。他の国でもそうですが、映画は普段知ることがなかなかできない歴史だったり、状況を間接的にも知れるところが醍醐味の一つですね。

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